TOP MESSAGE

機能だけでも、
デザインだけでも、足りない。
心を動かす“制服”の力。

現場でしか見えない景色がある。
今井社長が色々な現地に赴き、働く人々の声に耳を傾ける——。
そんなリアルな対話から生まれる気づきや発見を伝えます。
第1弾は、ユニフォームを通して働く人たちを支える
豊通ユニファッションの現場から。

服部真理子さん
企画ユニット チーフデザイナー

女子美術大学短期大学部 造形科を卒業後、バンタンデザイン研究所でテキスタイルデザインとグラフィックデザインを学ぶ。
アパレルメーカーでアパレルデザインを経験した後、レナウンに入社しユニフォームデザイナーに転身。
現在までに手がけたユニフォームは500社以上。

豊通ユニファッションとは?

ユニフォームを通じて企業と人をつなぎ、働く喜びと誇りをデザインしています。
企業理念「Make You Bright」感動をデザインし、
すべての人々が輝く社会を次世代へつなげる を掲げ
機能性と美しさを両立したユニフォームで、企業の新しい価値を創造しています。

豊通ユニファッションを
訪問されていかがでしたか?

今井
ユニフォームって奥が深いなと思いました。かっこよければいいと思ってたけど、違うね。いい機能があるのは当たり前でしょ。防火とか、動きやすいとか。それだけだとだめだからかっこよさと両立してないとだめなんだね。
服部
かっこいいだけでもだめ、機能だけでもだめなので結構難しくなってきています。昔はとりあえずかっこよければいいっていう感じだったんですけど、今はそれだけだとお客様が“うん”って言ってくれないです。

アパレルのデザインとユニフォームの
デザインの違いは何ですか?

服部
アパレルは自分で選んで着ますが、ユニフォームは企業や上層部が決めるので、着る人の声が反映されづらいんです。私たちはそのギャップを埋めることを意識しています。
今井
トップがダサいの選んだら最悪だよね(笑)。だから僕は絶対選ばない(笑)。
服部
最近は社員全員にアンケートを取って決める企業も増えました。そうするとシンプルなデザインが選ばれる傾向がありますね。毎日着るので耐久性も重要です。
今井
ユニフォームって“統一”の意味だけど、個性はどう出すの?
服部
二色展開にしたり、選べるアイテムを増やすことで対応しています。
今井
「ユニフォームで多様性を出せ」って言われたら?
服部
まさに今、それが課題です。中にはユニフォームを廃止する会社も。だからこそ、丈感を調整できるなど、1着で多様な着こなしができる工夫を模索しています。
今井
万博のユニフォームみたいなやつね。バリエーションがある方が未来感あるし、「今日はこれ着よう」と選べるのは面白い。
服部
はい、ボトムも選べるようにして、未来のユニフォームのあり方を意識しています。

ユニフォームの仕事のやりがいは?

今井
服部さんがデザインしたユニフォーム、何万人も着てるんでしょ?すごい仕事だよね。
服部
実際に着てる姿を見たり、感想を聞けるのはうれしいです。悪い意見もありますけど(笑)。
今井
毎日長時間着るからこそ、特別な服だよね。
服部
そうですね。普段着とは違い、着替えることで気持ちが切り替わると思います。
今井
ユニフォームに音楽や光、AI入れたらどう?テンション上げてくれる機能とか。舞台衣装みたいに捉えると可能性は無限だよね。

ユニフォームの可能性と企業イメージ、
サステナビリティについて

今井
ユニフォームって作業現場のイメージが強いけど、展示会やガイド、セールスなどはもっとチャレンジできるよね。面白い分野だと思う。
服部
ユニフォームで企業の印象や働きやすさが変わることもありますし、採用効果も出ているようです。
今井
サステナビリティって、コンペでアピールポイントになるの?たとえば「リサイクル率◯%」とか。
服部
はい、特に自動車業界では響きます。リサイクル素材などの提案は、豊通らしさとして評価されることも多いです。
今井
車の吸音材とか、まさにトヨタグループっぽい素材だよね。ぜひそういうの取り入れてほしいな。

選ばれるために大切にしていることは?

服部
常に「どうしたら選ばれるか」を考えています。一番大事なのは、お客様のニーズを正確に捉えることですね。
今井
情熱大陸の四国のスーパー案件もそうだったね。現場の声を聞いて取り入れるって大事。
服部
ただ、コンペでは現場に入り込めないことも多いんです。オリエンだけじゃ足りないので、営業から裏情報をもらうなどして、他社より深く理解した提案を心がけています。
今井
「このポイントが違う」とか、メッセージ性があると印象に残るよね。
服部
はい。選ばれるためには、情報を詰め込んで「この会社と仕事したい」と思ってもらう工夫をしています。
今井
服部さんが説明に行くと、信頼感が出そう。長く着るものだし、選ぶ人も真剣だよね。
服部
はい、プレゼンも絵・動画・サンプルなど、どう見せれば響くかを考えて工夫しています。

ユニフォームの海外展開は?

服部
豊田通商グループとして、12カ国61工場(※2025年10月時点)で展開しています。日本と同じものを輸出する場合と、現地オリジナルを作る場合があります。
今井社長にお聞きしたいのですが、海外から見た日本の価値って何だと思いますか?
今井
アフリカで言えば、「日本=信頼」。トヨタは特に「ちゃんとしている」と思われている。ユニファッションも面白い展開ができそうだね。
豊通はアフリカで母子手帳の配布、植林、交通安全など多くの社会貢献をしてるし、音楽は盛り上がってるけど、アートはまだ。だから“African Art Award”を始めました。社会性のあるモダンアートを広めたいんです。

お客様の期待を超えた経験はありますか?(豊通DNAの一つ、Beyond)

服部
毎回が勝負ですが、採用されると「期待を超えられたかな」と思います。初めてのコンペは20代後半、知識は浅かったけれど勢いで提案したリバーシブルのユニフォームが採用されました。意外性で共感を得られたのがうれしかったです。
その経験以来、「お客様の想像を少し超える提案をしよう」という姿勢が自分の軸になっています。
今井
いい仕事だよね。自分が考えたものを、お客さんが毎週5日も着てくれる。人を幸せにする仕事だね。

編集部から
今井社長にインタビュー!

今井社長の最近の
ビヨンドはなんですか?
僕毎日ちょっとしたビヨンドがあるんだけど、毎週面白いんですよ。今日みたいにね、服部さんにいつかお会いしたいなと思ってたんだけど、こうやって新たに人に出会えることはビヨンドだね。今年の夏にね、アフリカ会議(TICAD 9)があったんで、アフリカ各国の大統領にたくさん会ったり、社内のタウンホールミーティングでちょっと若い人と話したり。いろいろな人との新しい出会いが僕の最近のビヨンドかな。

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